トランスジェンダー女性排除を受けて日本共産党さんへ意見具申をし得られた回答
「女性」とは、だれを指すのか…
gidjapan.orgさんの問いに、これからも向き合い、考えていきたいと思います。
ひとつ確かなことは、私たちの掲げる「ジェンダー平等」には、その根本に、「個人の尊厳を守る」という立場があるということです。どのような生き方を選んでも、安心・安全が保障され、人間らしく生を全うできることが必要だと思います。
トランスジェンダー女性と女性との間で人権のバッティングが発生している中で(元参議院議員松浦大悟氏談)、女性とは何かを答えられない共産党さんに何かを期待する事が出来るでしょうか?
個人の尊厳を守るとはどういうことなのか?
普通に生きる女性の人権は元より、安心安全が保障されなければならない・・・とも解釈できる一方で、2020年11月現在現行法による正式なルールに則って戸籍の性別変更をされたトランスセクシュアル女性も『普通に生きるトランスセクシュアル女性の人権は元より、安心安全が保障されなければならない』と解釈できるのです。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC1000000111
第四条 性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。 2 前項の規定は、法律に別段の定めがある場合を除き、性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。
ここで、ひとつトランスセクシュアル女性と女性との人権のバッティングが起こるとされているのですが、果たしてどの様な人権のバッティングが現場で起きているのでしょうか?どこの誰もがその事態を声を出していない様に私には感じます。
さて。近年では人権という観点から、性別変更の為の要件の緩和が世界中で巻き起こり日本でも多くの政党がその流れを汲んでいる事と認識しています。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(性別の取扱いの変更の審判)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC1000000111
第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 二十歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺 がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
6つの要件で、特に四と五の撤廃を要求してきています。
現状、女性から男性へ戸籍変更するために、外性器の形状変更は必要とされていません。内性器(性腺{子宮卵巣})においては事実上摘出されているモノと解されている。よって要件五は事実上既に廃止されているモノ同然であります。
男性から女性へ戸籍変更を望む人の多くは外性器存在への違和感を強く持つ者であり戸籍変更が主眼ではない事が圧倒的に多いのですが、正しくは把握できていませんし、現に厳密な統計がある訳でもありません。また昨今のLGBTの高まる認知度からトランスヴェスタイト(異性装者)の当事者が戸籍変更を望むに至っているのかもしれません。トランスヴェスタイトにしろ、トランスジェンダーにしろ、その風貌はさまざまです。どのカテゴリーにも無論トランスセクシュアルも含めて外見的にはさまざまである事が多いのです。無論骨格的には変えられない現状で、生来からの女性の横に並べば、明らかにその差異は感じられる事でしょう。
どのカテゴリーでもその外見的風貌は様々である中で、女性の身体に近づける或いは近づける事は、社会的責任を全うするという側面もあろうかと考えます。無論、それを完全に肯定してしまう事は明らかに危険な事ではあります。社会がトランスジェンダーを追い詰めているともとられかねません。しかし、女性専用エリアへの立ち入りは女として生きて行く為には乗り越えなければならない問題なのです。戸籍を変更した者が男性専用エリアへ入る事は、現行法では認められません。
また仮に、女性へ戸籍の変更をした者が、男性エリアに入る事は自らのアウティングを自ら侵してしまう事になります。それは『社会生活の破綻』への第一歩なのです。
例えば、経済産業省の例を取り上げてみます。
経済産業省内で起こった事案は、トランスジェンダー女性の戸籍は男性で、女性としての勤務が許されているという現状で、女子トイレの制限を受けたり、その他色々と心無い言葉や対応を迫られたとして、裁判に発展した事案だったと認識しています。裁判の結果、戸籍男性でも女子トイレを制限する事は許されないという結果を東京地裁はだしました。その後、双方とも控訴し高裁へと法廷闘争が持ち込まれた様です。知りませんでした。
経産省トイレ訴訟、双方控訴
戸籍上は男性だが女性として生きる性同一性障害の経済産業省職員が女性トイレを使うのを制限したのは違法と判断した12日の東京地裁判決について、敗訴した国と勝訴した職員の双方が25日、不服として東京高裁に控訴した。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14308297.html
控訴していると言う事なので、若干トーンダウンしてしまった私ですが、控訴自体を悲観している訳ではありません。国が勝つことをgidjapan.orgは強く望んでいます。
女とは何か?
そして今女として普通に生きている諸氏にも感じてもらいたい。あなたが女であるという確固たる事実は何を担保にされていますか?出産ですか?生理ですか?子宮卵巣の有無ですか?性染色体xxですか?
法治国家である日本で、現行法のルールに則って戸籍の性別の記載変更をした女は女にあらずと言うのは、法治国家を冒とくしているとは感じませんか?
その上で、戸籍の変更ルールを変えてしまう事の危険性はもはや説明不要ですね。トランスジェンダーたちはいくつもの常識を逸脱してきました。そこには節操はありません。やったもの勝ちの様に振舞う。大きな括りでトランスジェンダーという仲間なのかもしれませんが、トランスジェンダーたちはヘテロセクシュアルのシスジェンダーたちに対して配慮するべき部分もあると、gidjapan.orgは考えます。
gidjapan.orgは戸籍の変更ルールを緩和する事には未だ反対の立場を取っています。
そこに人権問題は無いと考えています。
戸籍変更の為の性別適合手術ではないのです。
性別適合手術を強く望む者がたどり着く最後のステップが戸籍の変更だったというだけです。