同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の3条1項5号規定に関する広島高等裁判所の決定について

男性から女性へ性別の続柄を変更するための5要件目である外見要件、手術要件とも言われていた書類上の性別表記を変更する要件のひとつであった訳だけど。これが違憲と判断された事に、当事者としてとても残念に思います。

女性の安心安全が担保されてたから、また、私たちも手術を受けていたから、女性たちも不承不承ではあるモノの、女性という括りに入れて頂いていた。そう受け止めてきましたが。。。今後は、男性器を持ち、男性機能を有する法的女性(或いはみなし女性)が、生来女性と同等の権利・法益を得る事となるのです。

女性とは何か?

男性とは何か?

そうした概念が崩壊した今、生来女性はどうあるべきなのか?今後、どの様に生来女性の権利法益を守っていくべきなのか?

私は生来女性と仲たがいの様な或いは、お互いを否定する様な事はしたくありません。それは私たち全体に対するイメージの悪化に繋がり、私たちの希望が失われかねません。

司法が判断したのだから、私たちはどうする事も出来ません。悔しい限りです。

日本共産党の指摘は正しいのか?

 国際的な人権基準の発展の中で、性自認のありようを病気とみなす「病理モデル」から、本人の性自認のあり方を重視し尊重する「人権モデル」への移行がすすんでいます。現在、日本では法的な性別変更の要件を定めているのは「性同一性障害特例法」であり、生殖機能をなくし、変更後の性別の性器に近似する外観を備える手術が必須とされています。しかし、体に深くメスを入れ、場合によっては命にもかかわる治療・手術を、法律上の性別変更の要件として強要することは、人権上、大きな問題があります。日本共産党は従前から、性別変更の要件について、「病理モデル」から「人権モデル」への移行にふさわしいあり方を検討する方向を表明してきました。要件が変更されれば、今後、法的にも、男性器を備えたままの性自認女性という存在が認められるということも想定されます。https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/202207-bunya12.html より引用

日本共産党は、2022年参議院選挙政策として、上記の通り説明しています。果たして、本当に医療モデルと言えるのでしょうか?

第156回国会 衆議院 法務委員会 第31号 平成15年7月9日
https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=115605206X03120030709&current=7 より引用

○浜四津参議院議員 ただいま議題となりました性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 性同一性障害は、生物学的な性と性の自己意識が一致しない疾患であり、性同一性障害を有する者は、諸外国の統計等から推測し、おおよそ男性三万人に一人、女性十万人に一人の割合で存在するとも言われております。
 性同一性障害については、我が国では、日本精神神経学会がまとめたガイドラインに基づき診断と治療が行われており、性別適合手術も医学的かつ法的に適正な治療として実施されるようになっているほか、性同一性障害を理由とする名の変更もその多くが家庭裁判所により許可されているのに対して、戸籍の訂正手続による戸籍の続柄の記載の変更はほとんどが不許可となっております。そのようなことなどから、性同一性障害者は、社会生活上さまざまな問題を抱えている状況にあり、その治療の効果を高め、社会的な不利益を解消するためにも、立法による対応を求める議論が高まっているところであります。
 本法律案は、以上のような性同一性障害者が置かれている状況等にかんがみ、性同一性障害者について、法令上の性別の取り扱いの特例を定めようとするものであります。

性転換治療は、遡る事1964年

ブルーボーイ事件(ブルーボーイじけん、Blue boy trial)とは、1964年に十分な診察を行わずに性転換手術(現在の性別適合手術)を行った産婦人科医師が、1965年に麻薬取締法違反と優生保護法(現在の母体保護法)違反により逮捕され、1969年に有罪判決を受けた事件。優生保護法違反の方が重い量刑を下された。
https://bit.ly/3EjQDEF [ブルーボーイ事件Wikipedia]より引用

患者の依頼によって行われた医療行為が、有罪となった事によって、それ以降日本では性転換治療を行う医師は居なくなった。

後に、ペニスカッターとして知られる故和田耕治医師が細々と杉並区界隈に個人院を設け武蔵野市界隈のクリニックとを跨いで夜の世界に住むニューハーフさんたちの治療に当たっていた様ですが・・・。

間もなくしてひとりの患者さんが埼玉医科大学の形成外科を訪ねた所からこの治療が細々とそれでも大々的に行われる事となった経緯があります。この時、ドクターは、医師免許がはく奪されても、この患者を医療の力で救いたいと考えていたそうです。

ひとりのドクターの倫理観、或いは過去の不幸な判決との葛藤。それでもドクターは、動いた。手術に向け、準備を整えるに奔走。
詳しくは、こちらへどうぞ⇒https://gid.jp/article/article2018101601/

私は医療倫理観とは、時に人権をも含むと考えています。ES細胞が日本で影を潜めたもの、ヒト胚を切り刻む。。。ヒト胚とは、いつから人なのだろうか?切り刻まれる胚には人権は無いのか?と言ったような。

さて、話が長くなりました。

衆議院法務委員会の議事録に立法の経緯が記述されています。医療モデルと言えるのは、タブーだった性転換治療が一人のドクターの総合的な医療倫理やドクターの倫理観とを天秤にかけ、最終的に患者の想い(人権)を慮ったのではないでしょうか?そして、医療界・法曹界が患者とタッグを組み、政治家を動かし立法に至った経緯があるんでしょう。立法趣旨に、我が国では、日本精神神経学会がまとめたガイドラインに基づき診断と治療が行われており、性別適合手術も医学的かつ法的に適正な治療として実施されるようになっていると記載されている。まさしく医療モデルなのでしょう。続く性同一性障害を理由とする名の変更もその多くが家庭裁判所により許可されているのに対して、戸籍の訂正手続による戸籍の続柄の記載の変更はほとんどが不許可となっております。 性転換の治療を受けてもなお司法判断が出来ず結果不許可となっていた事実がここにあります。 性同一性障害者は、社会生活上さまざまな問題を抱えている状況にあり、その治療の効果を高め、社会的な不利益を解消するためにも、立法による対応を求める議論が高まっているところであります。 この文言は、はっきりと人権を意識した内容ではないでしょうか?

また、性転換治療を済ませているトランスセクシュアルが、必ずしもすべてが戸籍の変更をしている訳ではないという事も、現に覚えておかなければならないものだと当会は考えております。

また、既に婚姻されている当事者も存在しています。

もし、Self-ID(自己申告による性別変更)制に単独でなってしまえば、現に婚姻している人たちは、制度から零れ落ちてしまいます。特例法の非婚要件を外したところで、同性婚になってしまい、我が国は同性婚は未だと言った所であり、Self-ID(自己申告による性別変更)制になったとしても、零れ落ちてしまいます。これは、マイノリティーをより色濃くマイノリティーにしてしまいます。

更に、SNS等からいくつかの団体が声明を発し始めていますが、所謂トランスジェンダー女性の女子トイレ、女子更衣室、女湯(銭湯・温泉・スポーツジム・ゴルフ場)、入院施設、への立ち入りに関してです。

多くの当事者が、或いは、支援者が、トランスジェンダー女性の当事者は女性スペースを利用しないとか、犯罪目的じゃないとか、言いますが、やはり、生来女性からすれば、その真偽の程を確かめる術が無いのです。疑わしいと感じた際に成す術がないのです。そこを理解して欲しいと、切望しているに過ぎず、必ずしも、トランスジェンダーを差別している訳ではないと、私は受け止めています。女性の気持ちを慮る事こそが女性と共存できる唯一の自衛策だと当会は考えております。その様な考え方から、日本共産党のLGBT政策に記載されている性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下GID特例法)は、既に人権モデルであり、医療モデルではないであろう事と性同一性障害の治療とガイドラインこそが医療モデルと言えよう事から、GID特例法から手術要件を外す事には反対の立場である事を併せて表明します。

【補足事項として】

戸籍の続柄の記載変更を行えば、自らの意志に関係なく法的性別の通り社会は振り分けます。多くの人たちは、その事を口にしていません。トイレ・風呂に入るというのは、自身の意志です。集団検診は流れに任せていれば振り分けられてしまいます。もし救急要請で入院となれば、保険証に則ってカルテが作られ、カルテの性別で看護師は病棟を決める事でしょう。戸籍が変われば、わざわざ言う当事者が居りますでしょうか?聞かれたら言うと言う事になりませんか?聞けば、今どきならトランスフォビアと言われかねない。そんな雰囲気が見て取れますよね。トランスジェンダーさんたちは自らの首を絞めている様に感じます。

会の主張

①手術要件撤廃には、大反対だよぉ~ん💛

②人権の衝突を法律でもって解決しようとすることは、法の下の平等に反している。

③性転換手術は、望んで受けたものであって、人権侵害とは無関係である。

手術要件の撤廃は、性別の無秩序化に他ならないと考えています。
性別の無秩序化によって、起こる様々な歪みを社会が順応できるのであろうか?

生理のある男性
出産する男性
婦人科疾患にかかる男性
立井排尿が出来ない男性

身体的には女性(妊娠・出産が可能)だけど、同性婚を望む男性(パートナーの性別・身体的性別は問われない)
身体的には女性(妊娠・出産が可能)だけど、異性婚を望む男性(パートナーの性別・身体的性別は問われない)

現在見受けられる人権の衝突は、女性スペース利用において女性とトランス女性との間で起こる事が確認されている。
この問題は非常にセンシティブでデリケートな問題であるからこそ、慎重にするべき案件であると当会は認識する。
女性にとって、安心安全であらねばならないのが、女性スペースなのであろうと、当会は認識する。

その上で、トランス女性は女性スペースを使わせてもらうという立場になってこの問題に向き合いたい。

現在、手術要件の撤廃が運動化し、政治家の皆さんも、『それはそうだ』と前のめりになって居る様に見受けられます。でも、果たして、それが本当に必要な政策なのでしょうか?

手術要件が撤廃され、戸籍の性別の変更が安易に認められる様になってしまえば。。。


女性エリアに、身体的には男性の戸籍が女性という人達が雪崩れ込んでくる事が予測される。
手術を必要としないと主張するトランス女性は、女性エリアには立ち入らないと、声をあげていますが。

果たして、それが通用するでしょうか?


学校・職場・被災地・病院・公のサービスでは、戸籍に準じて振り分けられるんです。本人の意思に反して、戸籍で以て振り分けられてしまうんです。


何故、手術を必要としないトランスジェンダー女性は、戸籍の性別の記載変更を望むのでしょうか?


結婚?

それは公のサービスのひとつですよね。

個人間で完結する様なサービスであるなら、然して問題は軽微だろうと認識はしておりますが、話の論点はそこではありません。女性スペースへの立ち入りというセンシティブでデリケートな場所で起こる混乱をどう回避するべきかと言う点です。本人の意に反して、振り分けられるのが、そうしたセンシティブでデリケートな空間利用だった場合、手術を必要としないトランス女性が、『身体的には未手術なので』と、言って憚るでしょうか?

憚るという人が居るとしたら、私は聞いてみたい。何故、戸籍の性別変更を望むのか?と。


女として生きると言う事は、そうした事も含めて女として生きるという事になるのではないだろうか?


戸籍の性別を男から女に変えた。
『身体的には未手術なので』と、言って憚れる?

もし、人の善意や、制度の強みを利用するつもりで、女性エリアには立ち入らないと公言しているとしたら、悪質極まりない事だと当会は認識します。



私は少なくとも、私は。進んで性転換の手術を受けています。いえ、性転換手術は、私が強く願ったもの。それを人権侵害だなんてただの一度も、考えた事などありません。

『人権を守る』事に力を入れている共産党さんの『女』という概念

トランスジェンダー女性排除を受けて日本共産党さんへ意見具申をし得られた回答

「女性」とは、だれを指すのか…
gidjapan.orgさんの問いに、これからも向き合い、考えていきたいと思います。

ひとつ確かなことは、私たちの掲げる「ジェンダー平等」には、その根本に、「個人の尊厳を守る」という立場があるということです。どのような生き方を選んでも、安心・安全が保障され、人間らしく生を全うできることが必要だと思います。

トランスジェンダー女性と女性との間で人権のバッティングが発生している中で(元参議院議員松浦大悟氏談)、女性とは何かを答えられない共産党さんに何かを期待する事が出来るでしょうか?

個人の尊厳を守るとはどういうことなのか?

普通に生きる女性の人権は元より、安心安全が保障されなければならない・・・とも解釈できる一方で、2020年11月現在現行法による正式なルールに則って戸籍の性別変更をされたトランスセクシュアル女性も『普通に生きるトランスセクシュアル女性の人権は元より、安心安全が保障されなければならない』と解釈できるのです。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
第四条 性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。 2 前項の規定は、法律に別段の定めがある場合を除き、性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC1000000111

ここで、ひとつトランスセクシュアル女性と女性との人権のバッティングが起こるとされているのですが、果たしてどの様な人権のバッティングが現場で起きているのでしょうか?どこの誰もがその事態を声を出していない様に私には感じます。

さて。近年では人権という観点から、性別変更の為の要件の緩和が世界中で巻き起こり日本でも多くの政党がその流れを汲んでいる事と認識しています。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(性別の取扱いの変更の審判)
第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 二十歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖せん がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC1000000111

6つの要件で、特に四と五の撤廃を要求してきています。

現状、女性から男性へ戸籍変更するために、外性器の形状変更は必要とされていません。内性器(性腺{子宮卵巣})においては事実上摘出されているモノと解されている。よって要件五は事実上既に廃止されているモノ同然であります。

男性から女性へ戸籍変更を望む人の多くは外性器存在への違和感を強く持つ者であり戸籍変更が主眼ではない事が圧倒的に多いのですが、正しくは把握できていませんし、現に厳密な統計がある訳でもありません。また昨今のLGBTの高まる認知度からトランスヴェスタイト(異性装者)の当事者が戸籍変更を望むに至っているのかもしれません。トランスヴェスタイトにしろ、トランスジェンダーにしろ、その風貌はさまざまです。どのカテゴリーにも無論トランスセクシュアルも含めて外見的にはさまざまである事が多いのです。無論骨格的には変えられない現状で、生来からの女性の横に並べば、明らかにその差異は感じられる事でしょう。

どのカテゴリーでもその外見的風貌は様々である中で、女性の身体に近づける或いは近づける事は、社会的責任を全うするという側面もあろうかと考えます。無論、それを完全に肯定してしまう事は明らかに危険な事ではあります。社会がトランスジェンダーを追い詰めているともとられかねません。しかし、女性専用エリアへの立ち入りは女として生きて行く為には乗り越えなければならない問題なのです。戸籍を変更した者が男性専用エリアへ入る事は、現行法では認められません。

また仮に、女性へ戸籍の変更をした者が、男性エリアに入る事は自らのアウティングを自ら侵してしまう事になります。それは『社会生活の破綻』への第一歩なのです。

例えば、経済産業省の例を取り上げてみます。

経済産業省内で起こった事案は、トランスジェンダー女性の戸籍は男性で、女性としての勤務が許されているという現状で、女子トイレの制限を受けたり、その他色々と心無い言葉や対応を迫られたとして、裁判に発展した事案だったと認識しています。裁判の結果、戸籍男性でも女子トイレを制限する事は許されないという結果を東京地裁はだしました。その後、双方とも控訴し高裁へと法廷闘争が持ち込まれた様です。知りませんでした。

経産省トイレ訴訟、双方控訴

 戸籍上は男性だが女性として生きる性同一性障害の経済産業省職員が女性トイレを使うのを制限したのは違法と判断した12日の東京地裁判決について、敗訴した国と勝訴した職員の双方が25日、不服として東京高裁に控訴した。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14308297.html

控訴していると言う事なので、若干トーンダウンしてしまった私ですが、控訴自体を悲観している訳ではありません。国が勝つことをgidjapan.orgは強く望んでいます。

女とは何か?

そして今女として普通に生きている諸氏にも感じてもらいたい。あなたが女であるという確固たる事実は何を担保にされていますか?出産ですか?生理ですか?子宮卵巣の有無ですか?性染色体xxですか?

法治国家である日本で、現行法のルールに則って戸籍の性別の記載変更をした女は女にあらずと言うのは、法治国家を冒とくしているとは感じませんか?

その上で、戸籍の変更ルールを変えてしまう事の危険性はもはや説明不要ですね。トランスジェンダーたちはいくつもの常識を逸脱してきました。そこには節操はありません。やったもの勝ちの様に振舞う。大きな括りでトランスジェンダーという仲間なのかもしれませんが、トランスジェンダーたちはヘテロセクシュアルのシスジェンダーたちに対して配慮するべき部分もあると、gidjapan.orgは考えます。

gidjapan.orgは戸籍の変更ルールを緩和する事には未だ反対の立場を取っています。

そこに人権問題は無いと考えています。

戸籍変更の為の性別適合手術ではないのです。

性別適合手術を強く望む者がたどり着く最後のステップが戸籍の変更だったというだけです。